「それは、何だ」
柿色の羽織を羽織った忍びは、思わず薬師に声をかけてしまった。
声をかけられたエマは、手のひらから目を外すと、狼に視線を向ける。
何がおかしいのか。彼女は手のひらと彼を見ると、くすりと笑みを浮かべた。
「手のひら、でございます」
2人から渡された独楽は、エマの手のひらにおさまった。それはエマの掌からおおかみへ、独楽はぐるぐる、子供たちに紐づいた。
古の都にて、いま狩りの夜が始まる
もはや狩りは終わり、夢に夜明けは訪れた
だが今だ狩人は だが今だ人々は 過去を想う
ならば、悪夢は訪れん かれらはきっと待っている
おかえりなさい 狩人/■■さま