2024/02/21

ハデスVSレジライ 航進望園大陸:見送る者

※書きたいところだけ書きました


カルデアはとある大陸にて、不思議な特異点を見つけた

-特異点 不思議な大陸-



「捨てられた雑誌」
月刊 世界の――

特集!!――大陸、オレシア

オレ―アは不思議―習慣が残る土地で─り
それは――――教と土―の信仰が混ざったものとされている
だが、土着の信仰―また、別の信仰と混ざ――いると―う説があり、―――――

海の幸を使っ―料理も、絶品の―言!

毎年行われる祭―――――――――――――



そこは不思議な不思議な大陸
楽園は今も待っている/楽園は今も追っている
たどり着く者を、人を


【人々は楽園にたどり着き、旅立った】





「瞬間強化!!」

「バーニア、突撃します!」

「コロンブス、動かすよ!」

「…………」

暗き、昏き、冥き底にて、影法師が1つと、人が二匹に、神が一柱

くらき其処とは、冥府にて。ならば柱はあのお方

『地よ、哮れ』

オリュンポス12神が一柱、ハデス。冥府の支配者、冥府神ハデスである



「──マ──ュ!!」
「マシュ!」

「は、はい!」
「私は無事です!コロンブスさんは!」

「とりあえず遠くに!」

『足掻け。吼えろ』
『その煌きで、行く道を照らしてみせよ』

「ッ!ヘラクレス!来て!」

「……!!!」

神と戦い、影法師・コロンブスはとうに倒れ、二人がいまだ倒れていないのは、マスターとマシュが今を生きる人間ゆえ

神は課している。試練を
神は期待している。彼らの輝きを
神は警戒している。彼らの火を



そして、ハデスはコロンブスを何とも……いや、正確には何の脅威とも思っていなかった

かつては生者であり、偉業も悪業もなしたが、今は死者でありその影法師。死者ではあるが、今のハデスの期待するものではなかった

「セイバー!」

「……!」

『ほう。アリアドネの糸か』
『そうだな、朽ちよ』

「させません!宝具疑似展開!」

マスターはセイバー・テセウスの影を召喚し、脱出する糸口を掴もうとしたが……

"その糸は途中で止まった"

「な……」

「そんな……」

『次は?』


【神は求めたが、諦め、妥協しようとしていた】




これで良いのでは……諦めずによく頑張っている

魔術師らしからぬ人は、仲間を見捨てず遠くに逃がした
兵器らしからぬ子は、信頼に答え防ぎ止めた


まだ、"二人は諦めていないが"、二人も時期に倒れる。カルデアはこの特異点にある冥界、その入口すら観測できない以上、支援も援軍も送れないゆえに

ただ二人で、ここまでよく持ち堪えている
その煌きは、明るくて

見慣れぬ大陸。楽園の匂いが残る不思議な土地に、呼ばれた甲斐はあったと、ハデスは思っていた

(ここまでですか……褒美は上げれませんが、生かしてはあげましょう)


「マシュ、まだ行ける?」

「はい、貴方とならどこまでも!」

『諦めよ。お前たちは底に辿り着けぬ』

『地上に──』

「……いや……辿り着くさ」

──襤褸布のような男が1人、風に吹かれる帆のように立っていた


【まだ、誰も諦めていない】




やはり、ハデスはコロンブスを何とも……いや、正確には何か状況を変えることができるとは思っていなかった

先ほどから動いていたのは分かっている。だが、何ができる?
コロンブスは偉業を成し遂げた。だがそれは怪物を打ち倒した訳でも、山を割った訳でもない。新大陸まで航海し、帰った故の偉業だ

やつの偉業/宝具でも、其処/底にはたどり着ず
ましてや、死にかけの体
神には見える、霊核すらひび割れた姿が、もう死んでいる体が
竜骨がおれ、帆さえ擦り切れた座礁船のように


『神の葉を遮るか』
(その体で、よく動けるものですね)


「遮るさ、ま──」

「コロンブス!まだ怪我が!」

「コロンブスさん、その体では!」

「ハハ、おう。ちょっと待ってな、ふた……いや──」


コロンブスは言葉を区切り、言い直す
旅とは、仲間とは助け合うものである。だから──

「お前ら、助けてくれ」


「……」「──」

「任せて!」
「了解です!」

『諦めぬか。ならば──』
『風よ、水よ、怪物よ、荒ぶれ』

『見せてみよ、その星光を!!!』


「テセウス!ヘラクレス!」
「あとイアソン!」

「……!!!!!」
「……!!」
「……!?」

「真名、疑似展開──私は、災厄を防ぐもの」
「──呼応せよ! 『いまに進む星見の旅』」
「『いまに在りし夢想の城/ロード・キャメロット』!!」


風は嵐、水は海、怪物は闇となり襲いかかる
でも、星はちらりちらりと、踊っている
まるで、そう。航海のようで──

(マスター、合わせろよ)
(了解!)

「抜錨…サンタ・マリア号!」

「テセウス宝具を!」

(足場を作り、糸で弱点を探る…といったところですか)

サンタ・マリアの顕現、船の鎖と合わせ、テセウスの糸が飛ぶ。ハデスに向かうことなく、あらゆる方向に

『?……?』
『何を──』


[─-ー―]
[繋がった!マスターくんにマシュ無事!]





ここは、はての大陸。ギリシア/スペインからも遠く離れた、楽園の跡地
古く伝えられ、時代と共に、今や廃れた海のはての冥界/世界

土地は死にかけていた。人は旅立ち、伽藍洞で寂しく
ゆらりゆらりと、流れでた土地
ゆらりゆらりと、旅立った土地
ゆらりゆらりと、人々を
ゆらりゆらりと、追いかけて
ゆらりゆらりと、たどり着いた

ゆらりゆらりと、くっついた





ここは、確かに冥界であった。ハデス神は、確かに冥府神である

だが「クリストファー・コロンブス」は、はての滝をこえ、大陸を「証明」したものである

だが「ハデス」は、爪の一片分に満たない力、欠片の力しか召喚されていない


嵐、海、闇。それらが荒れようと、コロンブスは見つけ、たどり着いた

ならばここは、はて/冥府にあらず。人々はたどり着いた。その土地の名は──


「新大陸」


『書き換えたか!!』



【鳩に導かれ、冥府に光がさす。枝葉の如く】






『ここは冥府なり!』

「あんたも外からやって来たんだったけな」
「あんたは異教の神だが、死者に、死にゆくものの安寧に力を尽くしたのは敬意を払うさ。だが──」

開拓の末、土着の冥府は消え、もうここは終わっている

「ハッハァー!どいてもらおうじゃァ!ねェの!!」

それでも、流れ、人を、終わりを求めた楽園にて
2つの異邦が、ぶつかり合う



[二人ともいつでも行けるよ!]

「召喚サークル、設置完了しました!」

「来て、ヘラクレス、Xオルタ」

楽園に送られるは、武と歌。異邦の武/異邦の歌なれど、そこには輝きがあった

それは楽園の人々に生者が送った労いであり、次の生に旅立つ死者が見せた感謝であった

そして、航海。諦めず、海を渡った人々。かつて自分を見つけた人々の始まり


楽園は満足していた

教えは違えど送りの中に
旅立った人々は今もかつての信仰を残していた

みんな自分を見つけてくれた
死にかけの自分に贈り物をくれた

楽園は死を受け入れた


『……そうか』
『ならば送ろう。光を束ね花束を、星の輝を』
『カルデアよ、輝いてみせよ、照らしてみせよ』


[冥府──テクスチャが崩れかかってる。土地が死を受け入れたんだ]
[特異点も正常に戻っていってる]
[──二人とも、やるんだね?]

「「はい!」」


ゆらりゆらりと、土地は星を見ていた
ゆらりゆらりと、土地は星に照らされていた


糸は、軽く柔軟で、重さが足りず
鎖は、重く硬質で、軽さがたりず

ならば、合わせよう
鎖は竜に、糸は骨となり、作り合う
糸は舵に、鎖は帆となり、進み合う


世界に糸と鎖の足場が、勤勉な船乗りがするように張り巡らされている
ところどころ、手が抜かれ、ぼろのそれは、人理の、船のようで──

燐く星座のように、楽園を照らす


「……!」
「今だ!やれ!」

テセウスの糸とコロンブスの鎖が、ハデスに絡みつき、動きを僅かにだが止める

狂戦士の身なれど、ヘラクレスはこれを見逃さない。まして、死に捧げる武なら

足場は糸、喇叭の音はLOVE SONG
そして武器は、鎖つき
 
「……!!」

友もいる


「令呪もって願う!宝具を、輝きを送って!」

「了■。射■■百■!!!!!」

空に輝くは、無双の連撃
連ね重なる、それは星のよう


【楽園はたどり着き、旅立った】







「ハデス神健在。ですが、動きが止まりました。恐らくは、」

『見事だカルデア』

『……お前らに、聞きたいことがある』

ハデス神は動き止めると、カルデアに語りかける


『人間よ、何故諦めなかった?分かっていたのだろう、これは試練、だと』

「「みんなが、まだ諦めてはいなかったからです」」

彼らは、試練だと気づいてなお諦めていなかった

『……人間よ、何故諦めない』
『お前たちの旅時だ』

ハデス神は、人のそれを知っていたが、彼らの答えが気になっていた。諦めない、その理由を

「託されたものがあります」
「皆さんが残した思いが、行動が」

「私達はカルデア、人理保障機関カルデア」

「汎人類史を取り戻すもの」
「それに、」

『それに?』

神は僅かな笑みを浮かべ、答えを催促した

「「まだ納得できる答えを、見つけていない」」

「旅のはてに、みんなに胸を張れる理由を」

「私が戦ってきた理由、戦う理由。」
「多くの方に背を押されてなお、私はまだそれを、見つけられていません」

ともすれば、ふざけた答え。多くを切ってなお、定まらぬ未熟の青さ
だがそれは、青空のようで


ハデス神はその答えを聞くと、虚空、カルデアに目線を向ける

『そちらは?』

[少し待ってくれ──。すまない、みんなの意見聞いていてね]

『音は遮断している』

[ありがとう、感謝するよ]
[私達の答えは二人と同じさ。託されたものがあって、みんな頑張っている。それに──]


[二人には、カッコつけたいのさ]

『そうか、カッコいいぞ』

「マスター、ハデス神はカルデアと何を話されているのでしょうか?」

「何だろう?」


【今を生きる、生者への問い】





話を終え、冥府の支配者、ハデス神はクリストファー・コロンブスに目を向けた


『………』
『………コロンブス。お前は、』
『……何故立てた?』

「……──っぉお」
「……」
「そうさな」

「二人が、みんな頑張っている。諦めることなく」
「見捨てりゃいいものを、諦めねえで、手ぇ必死になって伸ばして、声張り上げて頑張っている」

「──なら、俺が諦めるわけには行かねぇだろ」


『そうか……』

『ははは、お前に言うと少し意味合いがあれだが──あなた達』

『カルデアの旅路に祝福あれ』


【これにて解決。鳩は迷い者を、頑張り屋を導いた】



[ハデス神の反応は消えた。マシュ聖杯の回収をお願─]

「はい!聖──」

「みん──」

「■■■!」

ハデス神が去り、安息とした空気の中、突如としてヘラクレスが声をあげる。気づいていたのだろう、彼の無茶に

[…!!ッマスターくん、コロンブスを!]

「………」


「まさか…!」

[──!!霊核どころか、霊……あれ?……治ってる?]

「良かった……コロンブスさんがご無事で」

いかなるギリシャ神の助けか、コロンブスの傷は塞がりつつあった。みなは困惑しつつも、コロンブスの無事を喜んだ

[みんなお疲れ様。とりあえず今、帰還準─]


『ああ、あとこれも褒美だ。ちと古いが許せ』
『ではな』

突如としてハデス神の声が響き、財宝が現れた
試練に立ち向かった、褒美なのだろう
財宝は言葉通り古いものの、みな素晴らしい物である


「■■、■■■■■■■」

ヘラクレスはマスターの肩を叩くと、神に感謝に言葉を捧げる

「!、ありがとうございます!」

「褒美に感謝します」

「ありがとうございます。では一曲」

「ありがとう。感謝する」

それに習いマスターは感謝を言い、みなは後に続くように感謝を告げる


「……ん?コロンブス、もう大丈夫なの!」

「おう、もうバッチシよ。向こうさんが治してくれたみたいだからな」

Xオルタが演奏するなか、マスターはコロンブスに気づき話しかける。どうやら、怪我は大丈夫のようだが……

[ほんとかな〜〜こっちではまだ、怪我してるように見えるけど]

「おいおい、言うなよ……さて、マスター」

「?…ああ、なるほど」

「ハッハァ!話が早くて助かるぜ。頑張り屋さんの俺の褒美は、たんまり弾んでくれよなァ!!」


【怪我に財宝が効くとは、何とも彼らしい】





後日、コロンブス商事の破綻が申告された

「ご褒美がパフェとは、欲のない子だ」
「食堂の料理を気に入ってもらえてるのは、嬉しいがね」

「まあ、頑張った部下には労いがないとな」


「パフェ美味しいじゃん」

「はい!みなさんの作るパフェはふわふわで美味しいですよね、先輩」

「■■、■■■■■■■■■■■■■」

「ハッハァー!失敗してもなお、褒美にありつけるたぁ、ありがとうよマスター」


いい場所だよ、ほんと

神よ、どうか私を見守ってくれたように、彼らの旅路を見守りください

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