※書きたいところだけ書きました
カルデアはとある大陸にて、不思議な特異点を見つけた
-特異点 不思議な大陸-
「捨てられた雑誌」
月刊 世界の――
特集!!――大陸、オレシア
オレ―アは不思議―習慣が残る土地で─り
それは――――教と土―の信仰が混ざったものとされている
だが、土着の信仰―また、別の信仰と混ざ――いると―う説があり、―――――
海の幸を使っ―料理も、絶品の―言!
毎年行われる祭―――――――――――――
そこは不思議な不思議な大陸
楽園は今も待っている/楽園は今も追っている
たどり着く者を、人を
【人々は楽園にたどり着き、旅立った】
「瞬間強化!!」
「バーニア、突撃します!」
「コロンブス、動かすよ!」
「…………」
暗き、昏き、冥き底にて、影法師が1つと、人が二匹に、神が一柱
くらき其処とは、冥府にて。ならば柱はあのお方
『地よ、哮れ』
オリュンポス12神が一柱、ハデス。冥府の支配者、冥府神ハデスである
「──マ──ュ!!」
「マシュ!」
「は、はい!」
「私は無事です!コロンブスさんは!」
「とりあえず遠くに!」
『足掻け。吼えろ』
『その煌きで、行く道を照らしてみせよ』
「ッ!ヘラクレス!来て!」
「……!!!」
神と戦い、影法師・コロンブスはとうに倒れ、二人がいまだ倒れていないのは、マスターとマシュが今を生きる人間ゆえ
神は課している。試練を
神は期待している。彼らの輝きを
神は警戒している。彼らの火を
そして、ハデスはコロンブスを何とも……いや、正確には何の脅威とも思っていなかった
かつては生者であり、偉業も悪業もなしたが、今は死者でありその影法師。死者ではあるが、今のハデスの期待するものではなかった
「セイバー!」
「……!」
『ほう。アリアドネの糸か』
『そうだな、朽ちよ』
「させません!宝具疑似展開!」
マスターはセイバー・テセウスの影を召喚し、脱出する糸口を掴もうとしたが……
"その糸は途中で止まった"
「な……」
「そんな……」
『次は?』
【神は求めたが、諦め、妥協しようとしていた】
これで良いのでは……諦めずによく頑張っている
魔術師らしからぬ人は、仲間を見捨てず遠くに逃がした
兵器らしからぬ子は、信頼に答え防ぎ止めた
まだ、"二人は諦めていないが"、二人も時期に倒れる。カルデアはこの特異点にある冥界、その入口すら観測できない以上、支援も援軍も送れないゆえに
ただ二人で、ここまでよく持ち堪えている
その煌きは、明るくて
見慣れぬ大陸。楽園の匂いが残る不思議な土地に、呼ばれた甲斐はあったと、ハデスは思っていた
(ここまでですか……褒美は上げれませんが、生かしてはあげましょう)
「マシュ、まだ行ける?」
「はい、貴方とならどこまでも!」
『諦めよ。お前たちは底に辿り着けぬ』
『地上に──』
「……いや……辿り着くさ」
──襤褸布のような男が1人、風に吹かれる帆のように立っていた
【まだ、誰も諦めていない】
やはり、ハデスはコロンブスを何とも……いや、正確には何か状況を変えることができるとは思っていなかった
先ほどから動いていたのは分かっている。だが、何ができる?
コロンブスは偉業を成し遂げた。だがそれは怪物を打ち倒した訳でも、山を割った訳でもない。新大陸まで航海し、帰った故の偉業だ
やつの偉業/宝具でも、其処/底にはたどり着ず
ましてや、死にかけの体
神には見える、霊核すらひび割れた姿が、もう死んでいる体が
竜骨がおれ、帆さえ擦り切れた座礁船のように
『神の葉を遮るか』
(その体で、よく動けるものですね)
「遮るさ、ま──」
「コロンブス!まだ怪我が!」
「コロンブスさん、その体では!」
「ハハ、おう。ちょっと待ってな、ふた……いや──」
コロンブスは言葉を区切り、言い直す
旅とは、仲間とは助け合うものである。だから──
「お前ら、助けてくれ」
「……」「──」
「任せて!」
「了解です!」
『諦めぬか。ならば──』
『風よ、水よ、怪物よ、荒ぶれ』
『見せてみよ、その星光を!!!』
「テセウス!ヘラクレス!」
「あとイアソン!」
「……!!!!!」
「……!!」
「……!?」
「真名、疑似展開──私は、災厄を防ぐもの」
「──呼応せよ! 『いまに進む星見の旅』」
「『いまに在りし夢想の城/ロード・キャメロット』!!」
風は嵐、水は海、怪物は闇となり襲いかかる
でも、星はちらりちらりと、踊っている
まるで、そう。航海のようで──
(マスター、合わせろよ)
(了解!)
「抜錨…サンタ・マリア号!」
「テセウス宝具を!」
(足場を作り、糸で弱点を探る…といったところですか)
サンタ・マリアの顕現、船の鎖と合わせ、テセウスの糸が飛ぶ。ハデスに向かうことなく、あらゆる方向に
『?……?』
『何を──』
[─-ー―]
[繋がった!マスターくんにマシュ無事!]
ここは、はての大陸。ギリシア/スペインからも遠く離れた、楽園の跡地
古く伝えられ、時代と共に、今や廃れた海のはての冥界/世界
土地は死にかけていた。人は旅立ち、伽藍洞で寂しく
ゆらりゆらりと、流れでた土地
ゆらりゆらりと、旅立った土地
ゆらりゆらりと、人々を
ゆらりゆらりと、追いかけて
ゆらりゆらりと、たどり着いた
ゆらりゆらりと、くっついた
ここは、確かに冥界であった。ハデス神は、確かに冥府神である
だが「クリストファー・コロンブス」は、はての滝をこえ、大陸を「証明」したものである
だが「ハデス」は、爪の一片分に満たない力、欠片の力しか召喚されていない
嵐、海、闇。それらが荒れようと、コロンブスは見つけ、たどり着いた
ならばここは、はて/冥府にあらず。人々はたどり着いた。その土地の名は──
「新大陸」
『書き換えたか!!』
【鳩に導かれ、冥府に光がさす。枝葉の如く】
『ここは冥府なり!』
「あんたも外からやって来たんだったけな」
「あんたは異教の神だが、死者に、死にゆくものの安寧に力を尽くしたのは敬意を払うさ。だが──」
開拓の末、土着の冥府は消え、もうここは終わっている
「ハッハァー!どいてもらおうじゃァ!ねェの!!」
それでも、流れ、人を、終わりを求めた楽園にて
2つの異邦が、ぶつかり合う
[二人ともいつでも行けるよ!]
「召喚サークル、設置完了しました!」
「来て、ヘラクレス、Xオルタ」
楽園に送られるは、武と歌。異邦の武/異邦の歌なれど、そこには輝きがあった
それは楽園の人々に生者が送った労いであり、次の生に旅立つ死者が見せた感謝であった
そして、航海。諦めず、海を渡った人々。かつて自分を見つけた人々の始まり
楽園は満足していた
教えは違えど送りの中に
旅立った人々は今もかつての信仰を残していた
みんな自分を見つけてくれた
死にかけの自分に贈り物をくれた
楽園は死を受け入れた
『……そうか』
『ならば送ろう。光を束ね花束を、星の輝を』
『カルデアよ、輝いてみせよ、照らしてみせよ』
[冥府──テクスチャが崩れかかってる。土地が死を受け入れたんだ]
[特異点も正常に戻っていってる]
[──二人とも、やるんだね?]
「「はい!」」
ゆらりゆらりと、土地は星を見ていた
ゆらりゆらりと、土地は星に照らされていた
糸は、軽く柔軟で、重さが足りず
鎖は、重く硬質で、軽さがたりず
ならば、合わせよう
鎖は竜に、糸は骨となり、作り合う
糸は舵に、鎖は帆となり、進み合う
世界に糸と鎖の足場が、勤勉な船乗りがするように張り巡らされている
ところどころ、手が抜かれ、ぼろのそれは、人理の、船のようで──
燐く星座のように、楽園を照らす
「……!」
「今だ!やれ!」
テセウスの糸とコロンブスの鎖が、ハデスに絡みつき、動きを僅かにだが止める
狂戦士の身なれど、ヘラクレスはこれを見逃さない。まして、死に捧げる武なら
足場は糸、喇叭の音はLOVE SONG
そして武器は、鎖つき
「……!!」
友もいる
「令呪もって願う!宝具を、輝きを送って!」
「了■。射■■百■!!!!!」
空に輝くは、無双の連撃
連ね重なる、それは星のよう
【楽園はたどり着き、旅立った】
「ハデス神健在。ですが、動きが止まりました。恐らくは、」
『見事だカルデア』
『……お前らに、聞きたいことがある』
ハデス神は動き止めると、カルデアに語りかける
『人間よ、何故諦めなかった?分かっていたのだろう、これは試練、だと』
「「みんなが、まだ諦めてはいなかったからです」」
彼らは、試練だと気づいてなお諦めていなかった
『……人間よ、何故諦めない』
『お前たちの旅時だ』
ハデス神は、人のそれを知っていたが、彼らの答えが気になっていた。諦めない、その理由を
「託されたものがあります」
「皆さんが残した思いが、行動が」
「私達はカルデア、人理保障機関カルデア」
「汎人類史を取り戻すもの」
「それに、」
『それに?』
神は僅かな笑みを浮かべ、答えを催促した
「「まだ納得できる答えを、見つけていない」」
「旅のはてに、みんなに胸を張れる理由を」
「私が戦ってきた理由、戦う理由。」
「多くの方に背を押されてなお、私はまだそれを、見つけられていません」
ともすれば、ふざけた答え。多くを切ってなお、定まらぬ未熟の青さ
だがそれは、青空のようで
ハデス神はその答えを聞くと、虚空、カルデアに目線を向ける
『そちらは?』
[少し待ってくれ──。すまない、みんなの意見聞いていてね]
『音は遮断している』
[ありがとう、感謝するよ]
[私達の答えは二人と同じさ。託されたものがあって、みんな頑張っている。それに──]
[二人には、カッコつけたいのさ]
『そうか、カッコいいぞ』
「マスター、ハデス神はカルデアと何を話されているのでしょうか?」
「何だろう?」
【今を生きる、生者への問い】
話を終え、冥府の支配者、ハデス神はクリストファー・コロンブスに目を向けた
『………』
『………コロンブス。お前は、』
『……何故立てた?』
「……──っぉお」
「……」
「そうさな」
「二人が、みんな頑張っている。諦めることなく」
「見捨てりゃいいものを、諦めねえで、手ぇ必死になって伸ばして、声張り上げて頑張っている」
「──なら、俺が諦めるわけには行かねぇだろ」
『そうか……』
『ははは、お前に言うと少し意味合いがあれだが──あなた達』
『カルデアの旅路に祝福あれ』
【これにて解決。鳩は迷い者を、頑張り屋を導いた】
[ハデス神の反応は消えた。マシュ聖杯の回収をお願─]
「はい!聖──」
「みん──」
「■■■!」
ハデス神が去り、安息とした空気の中、突如としてヘラクレスが声をあげる。気づいていたのだろう、彼の無茶に
[…!!ッマスターくん、コロンブスを!]
「………」
「まさか…!」
[──!!霊核どころか、霊……あれ?……治ってる?]
「良かった……コロンブスさんがご無事で」
いかなるギリシャ神の助けか、コロンブスの傷は塞がりつつあった。みなは困惑しつつも、コロンブスの無事を喜んだ
[みんなお疲れ様。とりあえず今、帰還準─]
『ああ、あとこれも褒美だ。ちと古いが許せ』
『ではな』
突如としてハデス神の声が響き、財宝が現れた
試練に立ち向かった、褒美なのだろう
財宝は言葉通り古いものの、みな素晴らしい物である
「■■、■■■■■■■」
ヘラクレスはマスターの肩を叩くと、神に感謝に言葉を捧げる
「!、ありがとうございます!」
「褒美に感謝します」
「ありがとうございます。では一曲」
「ありがとう。感謝する」
それに習いマスターは感謝を言い、みなは後に続くように感謝を告げる
「……ん?コロンブス、もう大丈夫なの!」
「おう、もうバッチシよ。向こうさんが治してくれたみたいだからな」
Xオルタが演奏するなか、マスターはコロンブスに気づき話しかける。どうやら、怪我は大丈夫のようだが……
[ほんとかな〜〜こっちではまだ、怪我してるように見えるけど]
「おいおい、言うなよ……さて、マスター」
「?…ああ、なるほど」
「ハッハァ!話が早くて助かるぜ。頑張り屋さんの俺の褒美は、たんまり弾んでくれよなァ!!」
【怪我に財宝が効くとは、何とも彼らしい】
後日、コロンブス商事の破綻が申告された
「ご褒美がパフェとは、欲のない子だ」
「食堂の料理を気に入ってもらえてるのは、嬉しいがね」
「まあ、頑張った部下には労いがないとな」
「パフェ美味しいじゃん」
「はい!みなさんの作るパフェはふわふわで美味しいですよね、先輩」
「■■、■■■■■■■■■■■■■」
「ハッハァー!失敗してもなお、褒美にありつけるたぁ、ありがとうよマスター」
いい場所だよ、ほんと
神よ、どうか私を見守ってくれたように、彼らの旅路を見守りください
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