『私の作る理想郷────』
『ここでなら、貴方の探しものが見つかるかもしれませんよ? 』
ふと──今になって、そんな言葉を思い出す
惑星バルカズ
惑星バルカズに流れ着いた、渡り鳥/イレギュラーの手によって────
理想郷の崩壊。そんな光景を図々と、愛機のコクピットから見つめるパイロットがいた
「世界の終わりですか……思えば、優しく、残酷な世界でした」
NANE:────────
与えられた名/ドックタグと共に崩れ行く世界を振り返りえる
終わりは必然だったのかもしれません
いや、それで崩壊する時点で、もっと前からこれは決まっていたのかもな。
弱き者がいる支配/規定に満ちたこの理想郷は、そもそも弱者を気にしなければ生まれなかった
犠牲なきを目指し、生まれた犠牲少なきこの世界は、規定を目指しながらも流れ者を許容しました
流れつく未知すら支配し、犠牲無きを目指したその在り方は
当たり前のように、可能性により崩壊した……
そんな、何でもない独り言を
気づけばやけに色白くなった愛機につぶやきながら
烏はふと、空を見上げた────
そこには籠から飛び立ち、空に輝く流れ星となった渡り鳥と
星を道標に多くのモノが外へと渡って行く光景が写っていた
その中には死ぬべきと決められ、死んでいくはずだったモノたちも居る
それらが織りなす星空は、烏にとってずいぶんと懐かしい光景で...
白烏は名前通り探していた
成し遂げる物、証明する者を────
「──私も行きますか」
烏の中の何か────
渡り鳥に破れてもなお、燻りのそれが
燻りのまま、静かに燃え起こる
烏はそれに衝き動かされるように、機体を動かそうとした
「まずは貴方を治さなければ、CRAVw……
いえ、"STAR Window"。前の名は流石に申し訳がない」
「それはここで頂いた名前ですからね」
何かに違和感を覚え、それに気がついた
(ああ……)
「……行儀のよい振りは辞めるか」
(もう白烏ではないのだから)
烏の猫かぶり。さして好みではなかった、敬語を使う
気づけば長いこと猫を被っていた
少しの寂しさの中、損傷箇所を確かめながらも
それを思い出すと烏は不思議と笑みが零れそうだった
烏はふと、気づく。
損傷箇所を確かめ終え、武器を拾おうと開いた愛機の手から落ちる、白い羽...…
烏が急いで空を見上げると、飛んでいたのは──
ああ、なんだ。いたのか。
お前も白烏の名、気に入っていたのか?改めてよろしくな「STAR Wing」
そうして、烏は再び飛び立った────
その黒烏の中には、楽園にて
与えられ手に入れた白と
最後に、愛機と見つけた白が確かにあった
楽しかったのだ。この理想郷は──────
最善が崩され、最高あるいは最低の結果が理想郷に齎された
あらゆる世界の基底となるべき世界は、悍ましき未知のモノを見た
あらゆる世界の規定となる世界は、当たり前で既知のことを照明した
〈イレギュラー〉
破滅にすら向かう欲望
運命すら歪める黒い星
生物とは旅人であり、旅人とは星を道標にするもの
人々を引き込むその星は
暗闇の中でなお、黒く輝く凶星/Blackhole
あらゆる支配/常識を破り、崩壊させるもの
規定できぬからこそ、「イレギュラー」である
・Flys
Flysとはシャンディアの戦闘部隊の一つであり、その中でも最高戦力である。
また、Flysとは理想郷を守る守護者であり、侵略者である。
・白烏
コード:Flys.1 白烏機体名:CRAVWYNG
白烏はかつて、STAR Windowを駆る、烏と呼ばれる傭兵であった
ある時、シャンディアの管理者からスカウトを受け「Flys.1」となった烏は
だが、案外白い烏は近くに居た
それに気づく余裕のある世界。余裕とは、遊び。遊びとは実に良いものである
二脚型/中量機
左手:シールド、左肩:レーザー
右手:アサルト、右肩:ミサイル
右腰:ブレード
その構成は普遍的で、瞬間火力をミサイルに頼っている短所以外、特筆する点のないこの構成は
こちらもまた相手を上回る構成になっている
そしてFlys.1が駆るとき、それは確かな王道に変わり
その二脚は、地も、壁も、敵をも駆る走り烏の脚となる
そして翼は示すのだ。敗北も勝利も
0 件のコメント:
コメントを投稿